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    住所:弘前市下白銀1−6
    昭和39年(1964年)竣工
    延べ面積 5,593㎡
    RC造 地下1階3階建
    建築面積 3,236㎡
    客席1400席
    59歳

     

    弘前市役所から西側に向かって桜の並木道を少し歩くと、弘前公園の中に市民会館がその姿を表す。コンクリート打ち放しが周りの緑と溶け合い力強くも美しい。よく見ると、木板の型枠が表す木目肌はこれがコンクリートか、と思わず感嘆する暖かい肌合いを感じさせてくれる。建物の構成は、カフェ・事務室・会議室等の管理棟と大ホールをポーチで結んでいる。ポーチはゆったりとした空間で、ホールや管理棟への来客者を雨や雪から守り建物へと誘ってくれる。ポーチの上は解放されたテラスで、前川はそこで西に岩木山を臨み、コーヒーを飲みたいと語ったという。1400名収容の大ホールは前川の傑作とされる「神奈川県立図書館・音楽堂」にも引けを取らない音響を誇ると言われている。緞帳は、棟方志功作「御鷹揚げの妃々達々」。この制作にあたり、前川事務所を訪れ、赤だけで何種類もある見本の中から“ここはこの赤!”と直感で迷わず決める棟方志功の感性に前川はいたく感心したという。
    築40年以上経つ市民会館だが、弘前市民はここでコンサートや観劇にでかける時、少なからず心が高揚するのではないだろうか?館内の空間や細部への配慮がそうさせるのかもしれない。例えば、2階へのゆったりした階段や西側のリズムを感じさせる四角い窓の並び。当時とは変わってしまったが、楽屋の赤いドア。前川事務所の女性職員が作った、銅管を使った2階のシャンデリアのきらめきは、とくに黄昏時ここにいると、眺めていても見飽きることがない。今回この場所で前川100年祭を実行しようとし、館内に立った時、いろいろイメージが沸き上がった。建物そのものが、アイディアをくれる感じだった。前川國男は、人が集い、音楽や劇を楽しみ、談笑することを心から愛したのだと、この建物を通して強く感じた。弘前市によって、長い間大切に維持・管理され今日にいたるが、老朽化に伴いメンテナンスは重要な問題となっている。国の史跡内のためこの場所には、二度と建築されることはないと聞くが、この場所にこだわった前川の意思が今も伝わる建物である。
    平成8年(1996年)第6回BELCA賞ロングライフ部門※を受賞。

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